5:48 AM投稿記事の長さ:日本国憲法 × 0.8個 くらい

ボーカロイドオリジナル曲の作り方 Inverted Red Chain という曲を作って

トップイメージ

皆様、いかがお過ごしであろうか? 普段はWebエンジニアとして生計を立てているが、実はかつて音楽で食っていきたいと考えていたバンド野郎であった野地である。マジで日本昔話。おしりを出したら一等賞かはともかく話題はさらえたあの頃が懐かしい。

さてこのブログ、話の主軸としてWeb系と音楽系のネタが主軸なのだが、ブログをやり始めた当初はWebがデザイン、音楽がDTMを主としたモノになる予定だった。

時が経ってWebはプログラミングの話題が主となり、音楽はメタルバンドの紹介が主になったのだが、今回は久々にDTM関連の記事になる。

というのも、先日(2018-05-04)、三年ぶりにVOCALOIDのオリジナル曲をニコニコ動画に投稿したからである。

ニコニコ動画へのリンク

社会人になる直前までは、おそらく毎日作曲に励むであろう生活に心躍ったものだが、JavaScriptとPHP、ついでにHTMLとCSSやSQLの持つ魔性にすっかりやられ、無事Webエンジニアとして開発の日々を送ることになったので音楽はほとんど手つかずになってしまったのだ。

しかし、時は大型連休であるGW。長らく作ったまま放置していた曲にイラストを付けて公開に至ったので、このブログでも久々のDTMに関する話題を扱おうと思う。

  1. DTMに必要なソフトの選定・インストール
  2. 作曲の流れ
  3. イラストを用意して動画にする
  4. まとめ

DTMに必要なソフトの選定・インストール

Web制作に色々なソフトを使うように、DTMにも色々なソフトが必要だ。

実際にVOCALOID動画を投稿する際はイラストや動画を制作するソフト(ネタバレすると、全てAdobe製品でOK)が必要だが、作業開始から最終的な曲データである.wavや.mp3を吐き出すまでをゴールとすると、まず必要になるのがそれら作業のほとんどを統括するDAWというソフトを選定する必要がある。あまりこの記事のメインではないが、ここでは最低限必要になるソフトの紹介をしよう。

メジャーどころとしてはCubaseLogicPro Toolsあたりになるのだが、自分は安価だが高性能、という理由でずっとReaperというソフトを使っている。

と思っていたらかつてのSONARが無料(完全再現とは言えないようだが)で公開されているのを今知った。乗り換え検討中。

メインの操作はこれで行うのだが、ReaperではDTMにおける楽譜と言うべきMidiデータを打ち込むMidiエディタが貧弱、ということもあってMidiエディタとしてフリーソフトのDomino、そしてそのDominoとReaperをリアルタイムで接続するloopMIDIをインストールする。

そしてDTM制作特有の事情として、音源とエフェクターに該当するデータ(VSTiとVSTe) or ソフトを揃えなければいけないという課題がある。

フリーのソフトでも良質なモノは色々あるが、ひとつだけ紹介するのであれば、自作曲の半分はこの音源で鳴っているであろうIndependence Freeというソフトはインストール必須と言っていいほど豊富な音源が1パックになっているのでインストールしてみよう(Windows環境でインストールが上手くいかない場合は以前書いた記事を参照してもらうといいかもしれない)。

これで最低限作曲できる環境が整った。

ネタバレ済だが、その他の工程は全てAdobeのCC製品でOK(具体的には必須がPhotoshopとPremiere Pro、場合によって必要なのがIllustraotrとAfter Effects)なので、もし持ってなかったら購入しよう。SAIやクリスタは知りませんごめんなさい。

作曲の流れ

作曲には様々なフローが存在し、特に作詞担当と作曲担当、編曲担当等に複数人での作業になるとフロー自体がクオリティに直結するが、自分はあくまで最初から最後までボッチな作業者である。

ゆえにフローも自由に選択できるのだが、自分の場合、

  1. 登場するパート・コード進行・テンポ・拍子・スクエアなビートなのかシャッフルビートなのかを決める
  2. 仮音源の用意
  3. 仮音源で確認しつつ、全パート(ボーカルのみ仮)MIDI打ち
  4. 作詞
  5. VOCALOID打ち込み・調声
  6. 音源調整・エフェクト適用
  7. 全体調整

という順序で制作していく。

なぜこんなフローなのかと言うと、人によっては作詞が一番最初だったり、ギターや鍵盤による録音を軸に作曲したりするだろうが、実は自分はできる楽器がドラムだけである。

ドラムは宅録レベルでは凄まじく録音が困難な楽器であり、反面打ち込みが楽な部類のパートなので録音するメリットは薄いし、音程の存在する楽器の知識はあまりないので、まず最初に曲の調と大まかなコード進行を決め、後の作曲はほぼ100%打ち込みを軸に進めていくのだ。

また作詞が中途半端な位置にあるが、歌詞を先に作っておくと自然と楽曲がそれに従う形になるので、フレーズによっては文字数がはみ出る or 足りなったり、できた曲の雰囲気が歌詞に合わなかった場合に修正が大変だという理由で作詞はなるべく後に回したいという事情がある。

反面、仮ボーカル音源の用意という工程が発生するのと、その仮ボーカルの音数に合わせての作詞になるので作詞の自由度は下がるというデメリットが発生するのだが。

今回の楽曲を例にとるとパートはボーカル・ギター・ベース・ドラム・ピアノ・シンセサイザー×2、曲自体の調はGマイナー、テンポは120BPMでシャッフルビート(8部・16部音符ではなく3連符や6連符を使用するビート)ということを最初に決める。

そしてReaperに必要な音源、エフェクトを読み込んで大体の音を作った後、DominoでMIDIを打ち込む。

Domino作業風景

今回作成したMIDIはここからダウンロードできるのでもし参考にするのであれば好きに使ってほしい。


今回作ったMIDIをMIDITrailというソフトで可視化した動画。

こうして完成したMIDIのうち、ボーカルだけは歌詞という概念があるため、音数に合わせて文字数を考えながら作詞をし、出来上がったMIDIのボーカルパートのみボーカロイド(今回は巡音ルカを使用。というかルカさんしか持っていない)に読み込んで歌詞を打ち込む作業に入る。また、この時に声の性格を決め、同時に不自然に聴こえる部分を似たようなひらがなに置き換えてみたり、ピッチをずらす、一瞬黙らせるなどのテクニックで調声する。

ボーカルパートも満足のいくものに仕上がったら仮音源のままだった他のパートを作り込み、最終的に全パートのマスターにコンプやイコライザーをかけて完成となる。

イラストを用意して動画にする

曲が完成したら適当な静止画を見繕って曲と合成するのもアリだが、それでは寂しいので今回は自前でイラストを用意することにした。

まずはロゴデータを作成するのだが、これはAdobeのIllustratorで作成。

「Inverted red Chain」という文字を並べて、横長の画面にフィットしそうなバランスの配置で並べていく。

配置が決まったら頭文字Iをテーマである「赤い鎖」にすべく、商用利用可の写真素材から鎖の写真を拝借し、トレースしたパスデータに置き換え、ついでに全体にエフェクトをかけた。
ロゴ完成図

イラスト部分だが、幸い人からペンタブ(これ)を貰ったので、初挑戦ながら自殺直前のルカを描いてみることにした。

イラストなんぞあまり描いたことはないのだが、とりあえず3Dのデッサン人形が使えるDesign Dollなるソフトを発見したのでインストールし、それを見ながらを紙と鉛筆でラフを描く。

ラフ
この時点で下手だとか本当に大丈夫なのかとかネガティブな感情は全て便所に流す。

色々と思うところはあるだろうが、手を止めないでこれをPhotoshopに取り込み、ブラシと消しゴム、パスと指先ツールで絵を描いていく。

上手い人はラフの時点でそのまま絵に使える線画になっているらしいが、Adobe Senseiも匙を投げる下絵なので線から塗りまでオールPhtoshopだ。

イラスト部分完成図
一応完成した。何年後かにいい思い出になっていれば万々歳だ。

できたイラストのオリジナルサイズがコチラ。あと縦向き画面用のオマケ完成画像

そんなこんなで2週間弱格闘の末、できたイラストをIllustratorで作成したロゴと合成する。

イラスト部分完成図

完成した一枚絵はコチラ

一枚絵が完成したら今度は絵と曲をPremiere Proに取り込み、テロップ機能を使い、歌詞を曲に合わせて表示させる作業だ。

文字を表示する開始位置は30fpsの動画の場合1秒間の内30箇所に絞られるので1フレームずつずらしながら確認して決めていく。また動画の雰囲気的にパッと出てパッと消えるのは味気なかったのでテロップごとにフェードの効果も追加した。

こうして動画が完成したらニコニコの動画仕様に合わせて動画を書き出す。

大体の設定はコチラを参考にさせて頂いたが、フレームサイズは1920×1080、オーディオの周波数は44.8kHzを使用した。

こうして書き出された動画をニコニコにアップしてやっと全行程終了である。

まとめ

久々にボカロのオリジナル曲を投稿したので勢いで書いた記事だが、いかがだったろうか。

正直、それなりのクオリティのモノを作る、しかも全行程を一人でこなすのは中々に骨の折れる作業だし、必要な知識・テクニックも多岐にわたる。

これからボーカロイドで曲を作ってみようという人には悲報なのだろうが、しかし臆することはない。

自分は趣味は一貫して一人でやっているだけで、普段の仕事でこそチームプレイで仕事をするエンジニアだ。

チームプレイはコミュニケーションコストというものが発生する上に認識のすれ違いという敵も存在するが、合理的かつお互いの得意な分野で戦っていけるというメリットがある。そして、それを趣味の領域で使ってはいけないなんて決まりはない。

自分は結果的にボッチで作業することに特化してしまった人間だが、曲を作るのに特化した人は作曲をすればいいし、作詞したい人はガンガン歌詞をアップロードすればいいし、イラストを愛してやまなければ何も考えずに描けばいい。きっとどこかであなたが作成したコンテンツを欲している異分野の人間がいるだろう。

自分は3年間さぼってしまったが、まだまだ根強いVOCALOIDという文化が好きなのなら、一緒にコンテンツを増やす、または愛を持って消費して頂ければ幸いである。

コメントを付ける

入力エリアすべてが必須項目です。

内容をよくご確認の上、送信してください