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地球外生命体がいるかも? 今最もアツい太陽系四大天体

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皆様、いかがお過ごしであろうか? 自称木星マニアだが、ぶっちゃけ木星以遠の惑星は全部好きな野地である。

2016/09/27日にNASAがエウロパについての発表をした。

内容は、エウロパにて高さ200kmまで「水」が噴出したことを確認したというもので、エウロパはかねてより厚い氷によってできた地層の下に「水」によってできた海の存在が確実視されており、その水が探査機を下ろさずとも観測されたのはビッグニュースだ。

http://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-hubble-spots-possible-water-plumes-erupting-on-jupiters-moon-europa

実はエウロパの水が地表に噴出したというニュースはこれが初めてではなく、2013年にも似た観測結果が発表されている。

だが、この噴出が2013年にたまたま起こった珍しい出来事ではなく、恒常的に起こるものだということが証明できれば、エウロパの海を採取、分析するためのハードルがぐっと低くなるのは間違いない。

NASAが予定していたかつてのエウロパ探索計画には、エウロパの約3kmある厚い氷の地表をドリルで掘る作業が組み込まれていたが、エウロパ自身が地表に水を送り出してくれるなら好都合だ(結局、いずれは内部の調査のために地表を掘ることになるだろうが)。

さて、エウロパは地球人の中で最も熱く議論の交わされている太陽系内衛星(月は除く)であることは間違いない。

その理由は言わずもがな、エウロパは人間が宇宙へ目を向ける理由の一つである「地球外生命」の可能性を秘めているところにある。

太陽系には他にも生命の可能性が存在する星を抱えており、彼らは情報を小出しにしつつ地球上のファンを熱狂の重力井戸に叩き込んでいる真っ最中だ。

今回の記事では個人的な好みでこの「生命の可能性があるかもしれない天体」を4つ選んで紹介してみたいと思う。

学校で習う範囲だけでも漫画顔負けの超個性的キャラが目白押しの太陽系だが、地球人であればやはり気になるのが地球外生命体。

生命にとっては正直絶望的な宇宙における奇跡の星(?)を一緒に覗いてみよう。

目次

  1. エウロパ
  2. 火星
  3. タイタン
  4. エンケラドゥス
  5. まとめ

エウロパ

エウロパ
(c)NASA/JPL

エウロパはガリレオ4大衛星といわれる木星の主要な衛星の一角をなす星だ。

冒頭に書いた通り、エウロパの地面の下に水でできた海があることが確実視されている。

宇宙において水という存在はありふれた存在なのだが、気体でも固体でもなく、液体の状態で安定して大量にある環境となると大分貴重だ。

その点においてエウロパは素晴らしい環境であり、生命の存在において大前提は満たしている。

しかし、この海は深さが約100km(東京から熱海ぐらい)あり、また地層の厚さも数kmはあるという、スケールの大きいものだ。

なので当然、その海の中ではほとんど太陽光の届かない暗闇の世界ということになる。

たとえ、その海の中でライトを照らしても、海底は100km先なので何も照らせず、ライトをつけていることすら分からないだろう。

水は生命が存在するのに欠かせない条件の一つだが、それと並んで重要なのが安定したエネルギーの供給源、つまり太陽光だ。

動物は太陽光から直接エネルギーを生成するわけではないのだが、食物連鎖の大元である植物は太陽光からエネルギーを得ている。

そう、実はいくら水が豊富に存在しても、一般的な生物サイクルをエウロパ上で構築するのは難しいのだ。

では、なぜそれでもエウロパは注目され続けるのか。

それは、地球上で既に、太陽光に依存しないタイプの生物がいくつか発見されているからである。

一番有名な例は「チューブワーム」だろう。

彼らは口も肛門も持たない、我々動物からは考えられない構造を持つ生物だが、彼らは消火器の代わりに体内で特殊なバクテリアを飼っており、深海の噴火口である、「ブラックスモーカー」から噴き出す硫化水素をそのバクテリアたちに分解させエネルギーを得ているのだ。

つまり、そのエネルギー循環に太陽光は関わっていない。

チューブワームのようなサイズでなくともその体内に居るバクテリアのような、硫化水素などの化合物を軸に生きる生物なら、エウロパに存在する可能性があるのだ。

エウロパは木星の周りを楕円軌道で回っているので公転位置ごとに木星から受ける重力が変化し、その結果エウロパ自体が伸び縮みすることで摩擦熱由来のエネルギーが内部から発生する。

事実、同じガリレオ4大惑星であり隣の衛星であるイオは木星とエウロパ両者の重力で強烈に伸び縮みし、活火山が至る所に存在するマグマの星になっている。

同じ原理で、エウロパの海底に地球のようなブラックスモーカーが存在する可能性は高いだろう。

つまり、魚とはいかずとも、チューブワームのような生命が存在する可能性があるのだ。

現在、エウロパは世界中の研究機関が一番注目している衛星である。

今後も続報もバンバンやってくると思われるので、今のうちにエウロパのどこら辺に子孫の家を構えるか考えておいた方がいいかもしれない。

火星

火星
(c)NASA/JPL

他三つが衛星なのに対し、唯一地球以外の惑星でエントリーしたのが火星だ。

火星は地球の1.5倍の公転軌道を回り、大気も希薄な惑星のため表面温度は平均-43℃と大分寒い星である。

しかし、地下には氷の状態ではあるが水が存在することがほぼ確定しており、さらに2015年にNASAが発表したところによれば地表に液体の塩水が確認されたそうなので、微生物レベルであればますます生物が存在する可能性は高いと考えられている。

また、夢の域を出ない話かもしれないが、火星は地球から非常に近い天体のため、地球由来の隕石が大量にあり、そこに付着した地球産の微生物が火星で生きている可能性もあるらしい。実際、宇宙空間で生存が確認された細菌もあるので、あながちバカにできない話かもしれない。

どちらにせよ、火星は地球以外の惑星では最も好条件な惑星であることは間違いないだろう。

なにせ水星は昼が最高430℃、夜が最低-170℃ととんでもない気温変動の星であり、おまけにH2O(水)はほぼ0である。

金星は大きさや距離で、兄弟と呼ばれるほど地球と似ている星なのに、大気のほぼ全てを構成する二酸化炭素のせいで表面温度はどこでも約470℃。おまけに大気圧は90気圧で、地表にいるだけで海底900mを歩いているのと同義の圧力を受けるという過酷さだ。

木星に至っては星自体が巨大な放射能発生装置なので、木星に着く前に生物は焼け焦げてしまう。というか、木星以降の惑星はガス惑星なので地表が無い。

例え平均気温が-47℃だとしても、火星がいかに恵まれた土地か分かるだろう。

自転周期も地球と非常に似ており、火星での一日は24時間39分と、おそらく人間が火星に移住してもそこまで違和感なく暮らせるという優良物件ぶりだ。

火星には磁気圏がほとんどないので地表では太陽風(定期的に太陽から吹き付けてくるプラズマ。ひどく雑に説明すると、当たると死ぬ嵐)の影響をモロに受けるものの、地下であれば比較的安定した環境を構築できる。

唯一解決が難しそうなのが重力の問題で、質量が地球の半分程度しかない火星は重力も40%程度しかなく、地球をベースに進化してきた生物に悪影響を与えるのではないかと現在研究中だ(これに関してJAXAのページが詳しい)。

地球から近所で探索の機会が多いだけに、続報が次々にやってくることが予想されるので今後が楽しみな天体だ。

タイタン

タイタン
(c)NASA/JPL

生命といえば、H2O、というのが定説だが、別のアプローチで業界を賑わしているのが土星最大の衛星であるタイタンだ。

タイタンは土星の衛星の中では最大の大きさを持つ天体で、その大きさは惑星である水星より大きい(太陽系で現在発見されている衛星の中で最大の天体は木星の衛星であるガニメデだが、二番目がタイタンである)。

タイタンは衛星には珍しく大気が存在する

大気が存在する衛星は他にも木星の衛星であるイオや、海王星の衛星であるトリトン等が存在するが、タイタンのそれは比べ物にならないほどブ厚いもので、面積あたりの大気量は地球の10倍に相当する。

この厚すぎる大気のせいで地球からの観測では地表の様子が分かり辛いのだが、カッシーニが赤外線で撮った写真によって地表の様子が明らかにされた。

結果、大気があるだけでも珍しい天体だというのに、タイタンは地表に大量の液体、言い換えれば海が存在するという凄まじい特徴が明らかになったのだ。

実は太陽系において、この特徴を持った天体は地球以外発見されていない。

前述した火星をはじめ、僅かな水分が存在している天体ならあるのだが、恒常的に地表へ液体を留めているというのは宇宙の世界ではとてつもなくレアな天体なのだ。

おまけに、タイタンの地表にある液体はただそこに留まっているのではなく、地球のように循環していることが分かっている。なんとタイタンには雨が降るのだ

このような特徴を揃え、まさに生命の星にふさわしそうなタイタンではあるが、それでもこの星に我々が住むのは正直難しい。

なぜならこのタイタンに存在する液体とは水ではなく、メタンだからだ。

メタンとは化学式CH4表され(炭素1つと水素4つ)る、宇宙では超メジャーな物質なのだが、地球で言うところの室温では沸点(液体から気体になる温度)を大幅に越え、気体として存在している。

その沸点は約112K(約-161度)、融点(液体から固体に変化する温度)は約91K(約-182度)と、その差は約20度しかない。言うまでもないが、水の沸点・融点の差は100度である。

さて、タイタンの気温は約-170度であり、20度しかないメタンの液体領域だ。

水ではなく、この液体のメタンを主軸にする生物がいるかもしれない、というのがタイタンに存在する生命の可能性なのである。

ただし、極寒の地表温度と、地球上に例の無いメタンによる生命活動は仮説の域を出ない。

反面、タイタンの地表の下には非常に濃度の濃い塩水がある可能性がNASAによって発表されている。

もし塩水が安定して存在しているのであれば、分厚い大気と豊富な炭素(メタン)は生命にとって非常に有利と考えられるだろう。

遠いだけに観測の苦労も凄まじいタイタンであるが、近い将来、我々人間が営んでいるのとは全く違うアプローチの生命活動を見せてくれるかもしれない。

エンケラドゥス

エンケラドゥス
(c)NASA/JPL

最後に紹介するのはひとつ前に紹介したタイタンと同じく、土星の周りを回る衛星エンケラドゥスである。

エンケラドゥスは太陽系の衛星の中で最も白い星と言われており、その反射率は驚異の99.9%だ

太陽の光をほぼ全て跳ね返してしまうこの星は、表面が比較的新しい氷で覆われており、ほぼ崖のない滑らかな地表をしている。

この衛星は大気が無い分タイタンよりさらに低温の天体であり、その平均表面気温は約-200度である。

だが、そんな極寒のこの星にはなんと火山が存在する

-200度の世界にマグマ等存在できるハズはない。

しかしそれは地球基準の話であって、地球におけるマグマとは地表を形作っている岩石などの物質がドロドロに溶けたモノを指す。

極寒の地であるエンケラドゥス基準で考えると、液体の水は地表である氷がドロドロに溶けたマグマといえるだろう。

そう、エンケラドゥスにある火山は地球やイオの低温版である、通称氷火山なのだ。

エンケラドゥスは非常に低温の地表温度ではあるものの、内部に原因不明の熱源(放射性物質の崩壊熱、または土星や周囲の衛星の潮汐力と予想されている)を持ち、その熱により地表の下に海がある

エンケラドゥスもカッシーニによる探索が今なお続けられている(残念ながらカッシーニは2017年9月17日にミッションを終了し、土星にワザと墜落する予定。制御できない探査機が衛星などに墜落した場合、地球由来の微生物などが星を汚染する可能性があるため)が、その膨大な観測データの中には生命の可能性を期待させるものが多い。

まず、地表の下にあるとされている海だが、これは局地的なものではなく惑星全体を覆っていることが明らかになった。

なぜそんなことが分かったかというと、土星の周りをエンケラドゥスが回るときに、エンケラドゥスの地表にわずかな「振動」が観測されたのが証拠だという。

完全に剛体(100%固体でできている物体、と考えて大体合っている)の天体では見られないこの僅かな振動は、エンケラドゥスの地表が地下の海の上で完全に「浮いている」状態でないと説明がつかないのだ。

また最近、エンケラドゥスが吹き上げる氷火山の物質をカッシーニが検出したところ、岩石と熱水が反応して生じる物質である「ナノシリカ」が存在していたことが明らかになった。

このナノシリカは90度近い温度の熱水が無ければ生成することができない上に、生物に欠かせない有機物であるため、一気に活発かつ高温の惑星活動と有機物の存在が証明されたのである。

このように、極寒でありながらも地下には生命のためといっても過言ではない環境が広がっているエンケラドゥスは、一部の人々からも「地球外生命体の可能性が最も高い天体」と言われる天体だ。

エウロパの方が近所かつ有名なので、おそらくエウロパの方が先に白黒付きそうではあるが、是非この太陽一白い星には白星になっていただきたいものである。

まとめ

地球外生命の可能性における四大天体特集、いかがだったろうか。

実際、人類が手ぶらで移住できるような星は皆無だし、結局宇宙は生命に冷たい、で片づけることもできるだろう。

しかし、今のうちから先手を打って、将来子孫が地球外に住む為にエンケラドゥスの土地を買い占めたくなったのは筆者だけではないだろう(?)。

宇宙はロマンの塊だが、他のロマンと決定的に違うのが、その根拠が極めて科学的なことだ。

夢を見すぎるのは考え物だが、夢は自分の思考範囲を広げてくれるものである。

多分、我々が生きているうちに地球を出ることはないだろうが、それでも「こんなことができたらいいなぁ」というロマンで人類は進化してきたのだ。

科学者でもない自分たちができることは少ないけれども、たまには夢を見ることで全く新しい明日の目的ができるかもしれない。

Comments

  1. えうろぱん より:

    エンケラドゥスのアルベド、氷火山、そしてナノシリカ……w
    奇妙奇天烈すぎてもう、一体コイツはどうなってるんでしょうか……w

    • noji より:

      えうろぱんさん

      エンケラドゥスは衛星の中でも特徴的ですよね。
      最近太陽系外ではハピタブルゾーンに属する惑星が生命の可能性として注目されていますが、衛星レベルでの観測ができるようになれば思わぬ場所でエンケラドゥスのような衛星も見つかるかもしれません。
      どちらにせよ、太陽系の中では貴重な星なので、今後のニュースに期待です!

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