8:54 PM投稿記事の長さ:アメニモマケズ × 11.8個 くらい

最近脳にキてる音楽 その4:Born of Osiris/”Follow the Signs”


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皆様、いかがお過ごしであろうか? 最近オフィスが溝の口へと移ったのも兼ねて、自転車通勤を始めた野地である。

日々の習慣に運動を取り入れ、運動不足になりがちなデスクワーク生活をより健康的に……という目的で始めた自転車通勤。効果が出るのはまだまだ先だろうが、身体と財布に革命が起きるのが楽しみである。

しかし自転車通勤もいいことばかりではない。

片道約8km程度、さほど苦にもならない距離なのだが、通勤にかかる時間は倍になるため多少の早起きを強いられる。

そしてなにより、音楽をイヤホンで聴けない。

近頃まで音楽を楽しむ時間といえば電車での通勤時のことだったが、自転車に乗りながらのイヤホンは違反行為である。

高校生のころはよく自転車に乗りながら音楽を楽しんだものだが(当時は合法? だった)、それはもう過去の話だ。

しかし、音楽を聴く時間が少なくなれば、返って聴き慣れていた曲が新鮮に聴こえるというもの。

今回は自分の中で再ブレイク(?)したマイ名曲の一つ、Born of Osirisの「Follow the Signs」を紹介しよう。

目次

  1. Born of Osiris というバンド
  2. 今回の一曲「”Follow the Signs”」
  3. まとめ

Born of Osiris というバンド

Born of Osirisは2007年にアメリカのSuerian Recordsから登場したメタルコア/DjentDjent系のバンド。バンド名の由来はエジプト神話に出てくるオシリス神とその子であるホルスの物語からである。

詳しい情報(Wikipedia)
ボーン・オブ・オシリス(日本語)
Born of Osiris(英語)

メンバー構成は元々、専任ボーカル+ツインギター+ベース+ドラム+キーボード&ボーカルの6人体制だったが、2011年にギタリストの片方が脱退してしまったため、現在は各パート一人づつの5人で活動している(ライブではサポートにギターが一人加わるようだ)。

その音楽性は基本Djent系と呼ばれるモノで、低めにチューニングされたギター・ベースのリフが核だ。

しかし彼らはMeshuggahPeripheryの台頭後(言葉は悪いが)雨後の竹の子のように登場したDjent系バンド達とは一線を画す個性を併せ持っており、過激ではあっても旨味のようなものが薄くなりがちなDjent系のサウンドに煌びやかな色を持ち込んだのが特徴である。

特にキーボード/シンセサイザーによるスペーシーなサウンドが前面に出ており、決して低音一辺倒ではない重めかつカラフルなリフと組み合わさることによって生まれる「キャッチーさ」が最大の武器だろう。

ボーカルはグロウル・スクリームに徹したスタイルでクリーンが一切入らない、良い意味で「歌詞のある打楽器」としての役割であり、他のキラキラしたパートとのコントラストが映える。また、専任ボーカル以外にもキーボーディストも高めのスクリームを歌っており、2名による掛け合いも曲のフックとなっているのもポイントだ。

そしてドラマーはこのジャンルの例に漏れずかなりのテクニックを持っているのだが、決して手数を詰め込ませ過ぎず、かなり「間」を大切にしているように感じる。

ブラストビートや高速のツーバスは曲に絶対的なパワーを与えられるのだが、それは同時に曲の色を奪ってしまうリスクを孕んでいる。このバンド最大の持ち味である煌びやかなサウンドを損なわず、かつリズム的エグさをリフと共に生み出すこのドラムはバンドの屋台骨としての役割をしっかり果たしていると言えるだろう。無駄に変拍子を使わない辺りも曲を無駄に難解化させていない。

弦楽器は超絶技巧の一言に尽きるが、それでも技巧の前にメロディを大事にしているのが聴き受けられるのが良い。メタルらしくリズムで押していく場面も多いが、ちゃんとメロディアスに楽曲を彩ることも忘れない多彩さは、聴いている人間を飽きさせない緻密な計算によってのモノだろう。

これらメンバーが生み出す音楽は、職人の仕事を思わせるインテリさを感じさせる一方で頭を振れるパワーを持つ、まさに「Born of Osirisならでは」だ。

差別化のしづらいジャンルの中で頭一つ抜けた輝きを放つのにはそれ相応のこだわりがあるのだろう。

今回の一曲「”Follow the Signs”」

今回紹介するのはそんなBorn of Osirisが2011年にリリースした2ndアルバムThe Discoveryの一曲目である。

アルバムで聞く分には開幕からフルパワーで見せつける看板曲だが、PV版の冒頭ではアルバムの間奏曲である11曲目が流れ、ゆっくりと彼らの世界観に入っていけるだろう。

全力のボーカルから始まり、オーケストレーションのようなシンセサウンドが流れたかと思いきや、歯切れよくも重苦しいギター・ベースが襲い掛かる。

それだけだったらよくあるメタルな曲なのだが、同時にキラッキラなシンセが挿入されることによりDjentサウンドの上に個性を感じることができるだろう。バックでシンセが流れるのではなく、ギターに並ぶ主力として演奏されるキーボード/シンセがこの曲のメインフレーズにおけるキモだ。

そしてメインフレーズの後は曲のAメロに当たるパートへと移る。

デスメタル等の世界では俗に言うメロ/サビの区分が無いことが多いが、Born of Osirisの楽曲には似たようなメリハリを感じることが多々ある。
ただしそれは単純なものではなく、もっと立体的で複雑な構造をしていて聴く人間に「ありがち感」を感じさせない。

このAメロに当たる部分ではシンセサウンドが消え、リズムを前面に押しだしたセクションなのだが、けしてサビにあたる部分への準備期間というわけではなく、むしろ頭が自然と振れてしまう部分であるのが面白い。ボーカル2名による掛け合いも比較的少なめの音数の中で特徴的だ。

そしてシンセが「キラキラ感」から「重厚感」へとシフトしたBメロにあたるセクションを経て到達するサビでは一気にギターのメロディーが爆発する。
いままでザクザクのサウンド上で特別感を演出していたシンセからいきなりの主役交代に聴いてる人間は「おっ」となるだろう。曲においても山場の一つであることは間違いない。

そこからザクザクとしたリフと特徴的なフレーズを小出しにしながら曲は先ほどのBメロにあたるセクションを再び経て、再度メインフレーズへと突入する。

しかしメインフレーズはやがて、途中からシンセが消えたり、ギターがリフを刻むだけでなくメロディーを弾く等、先ほどのメインフレーズとは何か違う雰囲気を漂わせ始める。

そして今までの流れをぶった切るように始まるギタリストの本気ソロが、この曲の最後の山場だ。

Born of Osirisならではのスペーシー&ザックザクのサウンドを演奏した直後にメタルバンドとしての底力を見せつけてくれるこのパート。このバンドのセンスと実力を感じずにはいられない。

そんな怒涛の展開を聴かせてくれる新鮮な曲であるのだが、是非楽曲だけでなくPVの方にも注目してみて欲しい。

人によってはダサく映るかもしれないが、この2ndアルバムから一貫してバンドのアートワークを担当しているCameron Grayの作品を3D化した映像は楽曲とともに独特な雰囲気をと威力を持っている。メンバーの演奏風景もライブ映えしそうなメタルバンドそのものだ。

まとめ

相変わらず長くなったが、久々の「最近脳にキてる音楽」シリーズ、いかがだったろうか?

毎度のこと日本であんまり好きな人がいなさそうな曲ばかり紹介している気もするが、どうせ記事を書くなら誰しもが単純に好きなモノについて書きたいもの。

バンドも多少は方向性のすれ違いやレコード会社の指示があるにしろ、自分たちが好きだからこそ活動を続け、作品を世に送り出しているのだろう。

人間、好きなものには時間を割くものである。

一日の時間を曲のように緻密な計算でマネージメントするのは難しいが、盛り上がるところは盛り上がって、間を空けるところは間を開ける。そうしていい曲を聴き終わったような気分で床に就きたいものである。

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